腹だけ妊婦!?
－妊娠６ヶ月 その２－
従妹が泊りに来た。首都圏の大学を受験するとかで，うちへ一泊。むるっちが独り暮らししていた頃から１人で宿題を持って泊りに来てた娘っこだから，かわいさもひとしお。若ぼけちゃんだから放っておけないってこともあるのだけど。
だんなさんとここへ住んでからは二度めのお泊りになる。
その従妹と久しぶりに一緒にお風呂に入った。むるっちの全裸を見て一言。
「なんか入ってるみたい...」
おいおい，これが脂肪とでも言うのか！って感じ。だってぽこさんが入っているんだもん，この大きさはしょうがないよね。
妊娠しているってことを頭で理解してても，やっぱり感覚では理解できないんだなって改めて思った。妊娠している当のむるっちだって，つい最近まで「私ってば実はでぶなだけ？」なんて心配だったもんね。
「妊婦さんのお腹を生で見たことないもん」って従妹は言っていたけど，むるっちだって自分のお腹が膨らむまで妊婦の全裸なんて見たことなかった。あ，デミ・ムーアのヌードグラビアなら見たけど（妊娠中に全裸写真公開してたよね）。まして，触るなんて体験したことなかった。それは従妹も同じだったという訳だ。(もちろん，だんなさんもそうだったんだけどね。)
「肩から上を見るぶんだと，全然普通の人なのにねー。お腹だけおっきいもん，びっくりするよねー。」なんて言う。
今時，妊婦さんって珍しいのかも知れないなって思っちゃう。生まれてくる子供の数が減ってるんだもん，妊婦が減って当然だね。
最近多いらしいよ，妊婦のノイローゼ。ノイローゼっていう言い方は適切じゃないのかな。うーん。軽い「うつ」みたいな状態って言えばいいのかな？ 本当は百人百様の「妊婦の生態」があるはずなのに，雑誌や育児本なんかの「情報」に振り回されて，元妊婦の体験談(しかも成功談ばっかりだったりする)に振り回されてしまう。それっておかしいよね。だって個人の体験がひとくくりにできる訳がないもん。
これって絶対「大学受験」に似てる。ノルマを確実にこなしてないと合格できないぞ，みたいな感じで脅される受験。受験雑誌や成功談ばかり聞いて，情報に振り回される。そんで最後に気がつくんだよ，「おたおたしてる間に勉強しろ！」って。
だからむるっちは雑誌は買わないって決めてる。振り回されたくないからね。本当はちょっと見たいんだけど，雑誌を見て「おたおた」しちゃうだろうなって分かってるから我慢してるんだ。
で，現在のむるっちの参考書は「母子手帳」＆「母子保健テキスト」(両親学級で買ったもの)だけ。でも結構しのげるもんだわ。楽な姿勢とか注意すべきことなんかも書いてあるし，最低限必要なもののリストもある。それだけ分かればいいじゃない？ それにね，どうしても「さぁ，お母さんになるんですよぉ」みたいな感覚になれないからねー。
むるっちは「ぽこさんを自分の子宮で育てている」とはどうしても思えない。どちらかと言うと「間借りさせてる」っていう感覚。ぽこさんはむるっちとは別の存在だし，もちろんだんなさんとも別の存在だろうって。冷たいかな？
そういうこととは関係ないのだけど，ひとつショックなことに気がついたの。ま，とりあえず呼称として，ぽこさんにはある年齢までは「お母さん」と呼んでもらうつもりだった（中学生くらいまでには名前で呼ばれたいって思うの変かな？）のだけど，従姉妹や義妹に対しては，ぽこさんに「おばさん」って呼ばれるんだなーって笑ってた。でもね，ぽこさんのお友だちとかには，むるっちは「ぽこさんのおばさん」とかって呼ばれちゃうのよね。げーっ。むるっちもおばさんに昇格かぁ？
そうか。おばさんか...。気がつかなかったよ。だって友だちや従姉妹の中では一番最初に「妊娠」状態に突入したんだもん。誰にも「おばさん」って呼ばれたことなかったのにね。なんかがっかりしちゃったぁ。
第22週に入る頃，だんなさんと一緒にぽこさんの名前を考えた。いや，もともと考えてたけど，なかなかなくてね。で，これが最終選考会ってとこかな？
画数は気になるよぉ，もちろん。で，むるっちは「画数＆漢字の意味」重視，だんなさんは「姓とのバランス＆漢字の読みやすさ＆音」重視。むるっちには好きな漢字がいくつかあるの。織・佳・穂・斉・菜・祥・淳...出来ればこういう字を使いたいって思ってる。一方，だんなさんは「画数の多い字」は嫌いなの。パソコンしてると字を書かないでしょ？ だから込み入った字は嫌なんだって（本当はあんまり字が上手じゃないからだと思うんだけど。生まれた後で「命名○○」っておめでたそうな紙に書いて床の間に飾ったりするじゃない？ あれって「お父さん」のお仕事なんだって。でも，だんなさんは「絶対書かん！」と言ってるし）。
それで，ふたりの意見の一致を見た名前が，男女それぞれひとつずつ。
さて，生まれてくるのはどっちかな？ ま，生まれてくればどっちでもいいけどね。