就眠儀式

うちの子供は二人揃って、相当寝じわい。「ねじわい」って方言かなぁ？　なかなか寝ない、寝付かないっていう意味で使うんだけど。

ともかく。その寝じわい子供たちの就眠儀式が長いの。理由は簡単。ただ寝たくない、それだけのためにこっちは大迷惑してる。

まず、パジャマに着替える。歯を磨く（歯磨きもすごいんだけど、それは次回に）。フッ素ジェルを塗る。蒲団を敷く。さあて、寝ましょうってことになる。

ここで第一の関門「ねんねのお供探し」。

なこは初節句のお祝いにもらった「ミニーちゃん」のぬいぐるみを探す。ベビーミニーなので、もともと淡い色調だけど、何度も洗濯機で洗ううちにますます淡くなっちゃって。ミニーちゃんはままごとに使うので、ま、だいたい有る場所は決まっている。しかも、なこは人差し指を吸いながら寝るので、蒲団に一緒に入ればそれでミニーちゃんのお役御免と相成るわけだ。

問題はしょうの「はなまくら」と「くまちゃん」。四六時中持ち歩くくせに、ふと捨ててしまう。だから毎回探すのが大変。どこから出てくるのか分かんない。
特に「はなまくら」（おばあちゃんからのお土産で、バラのポプリの入ったバラ模様のピンクのミニ枕。本来は枕カバーの中に仕込んでほのかな香りを楽しむものらしい。しょうがお花柄の枕という意味で「はなまくら」と言い出したので、その語が定着してしまった）。薄くて小さいから、どこにでも入っちゃう。あごの下に、「はなまくら」を挟んみこんで、両手で感触を確かめながら寝るくせがあるので、他のものでは代用が効かないの。しかも顔面に押し付けて匂ったりもする。寝ながらだよ。だから、夜中にも「はなまくら」を探すんだけど、ま、それはそれとして・・・

で、まぁ探し終わってようやく蒲団に入る。すると、第二の関門「ねんねのお茶」

「おかーさん、のどかわいたー。おちゃのむー」と二人で大合唱。蒲団に入る前に言え！と毎回思うのだけど、入ってからしか言わない。歯磨きの前に、そのつもりでお茶を飲ませてもだめ、必ずこのタイミングで飲む。なこは一杯しか飲まないけど、しょうは飲めるだけ飲む。よっぽど寝るのが嫌みたいだ。信じられない。

で、第三の関門「ぷーでた」。

これはしょうだけなんだけど。お茶を飲んで蒲団に戻るでしょ。蒲団に潜り込んだあたりでおもむろに「でたぁ」と申告する。「何？」と触ってみると、確かにおしっこが出ている。仕方がないので、蒲団から起き上がり、しょうのおむつを替える。また、皆が蒲団に潜り込んだタイミングで「でたぁ」と二度目の申告。

「何？　何が出たの？」「ぷー、かえてー、ぱんつかえてー」

「ぷー」は気体なんだからおむつは濡れないっちゅーの。「ぷーのときは、おむつ替えなくていいの！」「いーのかー」

毎回そうタイミングよくは出ない。すると奴は「秘儀・搾り出しの術」を使う。とにかく、おしっこを数滴だろうが、おならだろうが、出るものは出す！という気合で顔中真っ赤にしていきむ。出たときは本当に嬉しそうだけど、一緒に喜ぶ気にはならない。

さ、ここからが正念場。第四の関門。「歌、うたってぇ」

童謡、こどものうた、歌謡曲、マザーグース、アニソン（懐かしのアニメ主題歌）などなど、知ってる歌をひたすら歌いつづける。最短で２曲、最長２時間の記録がある。２時間歌った夜はさすがに死んじゃうかと思いましたねぇ。

大切なのは選曲。「たこやきなんぼマンボ」や「北風小僧の寒太郎」など「うっ！」だの「かんたろー」だの、合いの手が入るものはいけません。子供が歌ってしまうからね。うとうと寝てたはずなのに、いきなり「うっ！」とか言われちゃうと泣きたい気持ちになるよ。

こうして、毎晩の儀式は終わっていくのであった・・・辛すぎる。