ゆんぼう

夏休み。おじいちゃんちでユンボに乗せてもらってから，工事車両が大好きになったしょうちゃん。

しょう「あ，ゆんぼうだ！しょーちゃん，あれ，のりたいのよ」
なこ「しょうはゆんぼう好きなんだからー。なこは，おじいちゃんちの，椅子が壊れてて，カギが合わなくて，みかんの色の，動かないゆんぼうが一番好きー」

おじいちゃんちは建設業。一応動くらしいんだけど，動いてるところを見たことがない，野ざらしのユンボが近所に置いてあるので，毎朝・夕と散歩のついでに乗って遊んでた，そのユンボのことかな？

他にも「コンクリート・みきしゃーさ（＝ミキサー車）」「アスファルト・ぴにっしゃー（＝フィニッシャー）」「ぐれんだー（＝グレーダー）」「ローラー」などなど。近所で舗装工事をしていたせいもあって，いろいろな工事車両にめろめろ。でも工事車両って名前のわからないのが多いでしょ？　私も子供と同じ瞬間に名前を覚えるはめになる。

「あ，おかーさん，あそこにえんぴつがあるー」

・・・えんぴつ？　そう。懸命な読者なら気がつくでしょう。いつぞや，彼が「クレーン→クレヨン→お絵描き」という認識の元で「おえかきー」と叫んでいたことに。現在の彼の認識は「お絵描き→鉛筆」ということみたいですねぇ。

雨が降りそうな日は大変。
「おかーさん，ゆんぼうが雨に濡れて泥だらけになっちゃうよぉ。どーしよう？」
ユンボって，最初から泥だらけじゃなかったっけ？なんて疑問は口に出せません。そのくらい真剣な顔なの。自分の靴が泥だらけになっても「洗おうね」って平気な顔してるのに，一体何だろうね？

そんな，こんなで，工事現場の近くを通るともう大変。一歩も動けません。
「ひとつ，ゆんぼうだぁー」「ゆんぼう見てくー」「ゆんぼう乗りたいー」

幼稚園で，なこが使うエプロンに目印アップリケをつけようと，手芸品店へ出掛けた。なこはキティちゃんを選んで一段落。しょうは「えー，しんかんせんにしようかなぁ？　くるまにしようかなぁ？　ひこうきもすきー　へびぽくたー（＝ヘリコプター）かなぁ」とか，珍しく色々悩んでいる様子。そこへ「あ，ゆんぼうだ」となこの一声。確かに「ショベルカー」のアップリケが一種類だけある。手にもってた数種類のアップリケ，全部その場に投げ捨てて，しょうが駆け寄ったのは言うまでもないでしょう。

先日，大型スーパーに行って，何気なくおもちゃコーナーを通ったら「ユンボ」売ってました。ミニカーじゃなくて，足でずっこずっこ漕ぐタイプ。価格は４千円。ヘルメット付きで安全（何のこっちゃ？）とか，大書きしてある。さぁ，大変。しょうが気がつかない訳がない。時間的に余裕もあり，なこも幼稚園に行っている時間だったので，仕方ないなって感じで乗せた・・・のが運の尽き。牛乳と玉子だけを買いに行ったはずが，１時間もユンボに跨ってました。はー，参った参った。

マンボの合いの手まで変わりました。「うーっ，ゆんぼう！」ってさ。そんなにユンボが好きなのか。 で，彼は密かに「ゆんきちくん」と呼ばれることになりました。ちゃんちゃん。