Ｒくんのごはん

「Ｒくーん，おたよー（おはよう），しょーちゃんだよぉ。いいこだったねぇ。Ｒくん，今からお腹すいたぁ？　Ｒくん，何食べるぅ？」

Ｒくんの真ん前に座って，延々と話しつづける。まぁだ話すつもりか，こいつは・・・と思いながらも，別に時間的には余裕があるので，むるっちは腕を組みながら傍観することに決めた。

「ふぅん，Ｒくん，おなかすいたのぉ～。じゃぁ，お店に行くぅ？　しょーちゃんはマクドセット（マクドナルドのハッピーセットのこと）にするから，Ｒくんは白いごはんにする？」

（おいおい，Ｒくんに白いごはんを食べさせてどうするのよ？　自分はハッピーセットって言いながら，ほんとは「玉子かけご飯」が一番好きなくせに。もう。）なんて思いながら回りを見回す。だって，車に話し掛ける子供なんて，メルヘンの世界の人かイカれちゃってる人かどっちかでしょ？　ご近所の手前があるでしょうよ。適当なとこで切り上げてくれないなぁ。

すると，Ｒくんとの長話が済んだしょうちゃんがくるっと振り返って言った。

「お母さん，Ｒくんねぇ，お腹すいたんだって。お買い物に行く前に，Ｒくんのごはんのお店（ガソリンスタンドでしょうね，たぶん）に行ってぇー，Ｒくんにごはんあげてぇ，しょーちゃんはホットケーキ食べるねぇ」

こらっ！　それはガソリンスタンドにＲくんを預けておいて，自分だけファミリーレストランに行ってパンケーキを食べたいと。そういうことだな？