メルヘン

なこは本気でメルヘンの国に生きている気配がある。

昨晩，冷房を「ひかえめ」モードにして，扇風機を回した。置く場所が悪くて，扇風機にカーテンがくっついてすごい音を立てた。

なこ「なんで，あんなに大きい音なの？」
むるっち「カーテンが扇風機にくっついちゃったからね」
なこ「それで怒っちゃったのか。はなれてよーって。それで大きな声なのね」

はい。そうです。

でも，なこは現実を認識していないわけでもない。

先日，駐車場にバックで停めた時，車止めのブロックにタイヤが軽く当たって，戻った。もちろん後部座席でふざけていた子供たちにもその軽いショックは伝わったらしい。

なこ「なに？」
むるっち「Ｒくんのおしりがぶつかったかもねー」

降りて早速，Ｒくんのおしりを覗く二人・・・

なこ「大丈夫だ！」
しょう「でもー，ここがへん」
むるっち「そこはカギ穴なの！」
しょう「じゃ，大丈夫だー」
むるっち「でも，一応Ｒくんに聞いたら？」
なこ「えー？　だってＲくん話しないよ。車だもん」
むるっち「じゃ，しょう！　Ｒくんに聞いてよ」
しょう「いいよぉー。しょうちゃん，Ｒくんとお話するの上手だもん」
むるっち「そうだよねー」

しょうは前の方に回って，Ｒくんにいつものように（乗車前は必ず車と話をする人だもん。これくらい朝飯前さっ）やさしく話し掛ける。

しょう「Ｒくん，おしり痛くない？　大丈夫？　・・・。」
Ｒくん「・・・」
しょう「うん，大丈夫だってさー。よかったねー，Ｒくん」

メルヘンの国のなこちゃんは，なーんで車とは話が出来ないんだろうね？