大人なのに

「なこちゃんは，しょうちゃんのお姉ちゃんだから，なこのこと，なこちゃんって呼んでもいいし，お姉ちゃんって呼んでもいいよ」

なこは最近そう言う。でもしょうは「なこぉ」って呼び捨て。

「しょうは，なこのおとうと？だよね」

弟が男の子で，妹が女の子だよっていうんだけど，自分に自信がないみたい。必ず語尾を上げて確認を求める。

「おかーさんの弟はしでくん，お父さんの妹はうみちゃん。当たり？　それでね，お母さんはしでくんのお姉ちゃんでー，お父さんはうみちゃんのお兄ちゃん。当たり？」

うん，大当たり。よく覚えたね。

「えへへー。しょうちゃんは，なこの弟。小さいからね。でももうちょっと大きくなったらお兄ちゃんになるのよね。で，なこちゃんはお姉ちゃんで，もっと大きくなったら，もっとお姉ちゃんになるの。お母さん，当たり？」

うん，当たり。幼稚園に行くのは「お兄ちゃん（大きくなって，の意。第三子の予定はありませんよ。誤解のないように）」になってからよねー。

「でもさー，お母さん。しでくんも，うみちゃんも大人になったのに，なんで弟と妹なんだろう？　お父さんに聞いたら分かるかな？」

たぶん分かんないと思うけど，きっとハッタリかましてなんとかしてくれるよ。直接聞いてみてよ，なこちゃん。

さて。お父さんに直接アタックのなこちゃん。

なこ「お父さん，おかーさんの弟はしでくん，お父さんの妹はうみちゃん。当たり？」
父「当たり！」
なこ「なこはしょうちゃんのお姉ちゃん。しょうちゃんは，なこのお兄ちゃん？」
父「弟！」

うーん，状況は悪化してますねぇ。